旅する禅僧

より多くの方々に仏教をお伝えし、日常の仏教を表現していきます

心をおこす

皆様こんにちは!

光彬と申します!

本日2月15日はお釈迦様涅槃の日です。

仏教寺院ではお釈迦様のお誕生日(4月8日)、

お悟りを開かれた日(12月8日)、涅槃に入られた日(2月15日)にはお釈迦様の御遺徳を偲び

法要を行います。そのような大切な日に

お話を載せさせていただけることに、

また読んでいただけることに感謝申し上げます。

 

さて、皆様は夏と冬、どちらが好きですか?

私は1月生まれなこともあり、冬が好きなのですが、この2月は1年の中で最も寒く、1月末頃から2月頭までは大寒とも呼ばれているくらいです。

この寒い時期になると、修行時代のことを

思い出します。

修行時代の冬、私は翌日、法堂当番という

朝のお勤め(朝課)の支度をする役を

与えられていました。前晩に朝のお勤めの為に準備するものを確認し夜眠りにつきました。しかし次の日の朝、支度を始めなくてはならない時間を大幅に超えてから起きてしまいました。というのも、一度目を覚ましたのですが寒さに身体が震え、あと少しと、布団に戻ったのです。(二度寝)そのせいで、当番公務の開始が遅れてしまいました。幸い、その日はなんとか間に合い、

事なきを得ました。朝のお勤めが終わりホッとしておりましたが、その日、

監院老師という僧堂を統括しているお役の方からお話がありました。それは、朝の私に向けて言われているようなお話でした。

「寒い時期に差し掛かって、嫌だとか思うことがあると思うが、自然は自然をそのまま行じているだけで、それは我々が怠けていい理由にはならない。そういう時こそ引き締めて発起して物事を行うのが修行であると思う。自分の中から湧き立つそういう心を制することができるよう励んでほしい」このようにお話されました。

一瞬の出来事でしたが、寒さに負けて

もう少し暖まってから出ようとしていた私は

まさに、どうすることもできない自然の働きを理由に慢心し、行うべき公務を蔑ろにしてしまうところでした。

皆さんにもこのような経験はないでしょうか?

 

私達はなにかと、身体の外で起きる出来事を理由に逃げ道を作りがちですが、心のフィルターによって作られてしまいます。時には必要なことも

ありますが、その時心を発すことができたら

大きな自信に繋がることもたくさんあるかと思います。

まだ少し寒い時期が続きますが、この冬が

皆様にとって良き季節、時期となるよう

お祈り申し上げます*