旅する禅僧

より多くの方々に仏教をお伝えし、日常の仏教を表現していきます

彼岸と花粉症

こんにちは、哲真です。

 

花粉症で悩まされる季節になりました。皆差はいかがですか。私は重症ではないのですが、朝課や法事などをしている時に鼻水や目のかゆみで苦労することがあります。私のいる地域は杉が有名な地域で、一面に杉の木を見ることができます。杉の木は緑色のイメージがあると思いますが、花粉をため込む時期になると茶色になることを知っていますか。その茶色がなくなり緑色になると花粉が終わるころです。早く、杉が緑色になることを願うばかりです。

 

今は、お彼岸の時期です。お彼岸は春と秋との2回あり、春分の日秋分の日を中日とし、前後3日を合わせた7日間をいいます。語源は、サンスクリット語「パーラミター(波羅蜜多)」の漢訳語「到彼岸」からきています。皆様、是非お寺やお墓参りに行ってください。

 

このお彼岸の時期になると、いつもおはぎのことを思い出します。ぼたもちとおはぎは同じものなのに、なぜ言い方が違うのか子どものころ気になってしかたありませんでした。そんな時、祖母から「春彼岸にお供えするのはぼたもち。秋はおはぎ」と教えられました。これは、それぞれ季節の花「牡丹」と「萩」にちなむもので、時節によってその呼び方が変わるというものでした。時節で呼び方を変えるなんて昔の人は季節を大事にしていたのだなと感心させられました。

 

現在は、季節に関係なく一年中食べ物がある時代ですが昔は当たり前ではなく、季節毎に食べられるものがあることに感謝していたのだと思います。今は、季節毎の感謝ではなく、一年中食べられることを感謝していくことが大事だと思います。感謝の対象としての違いはあるにせよ、感謝して食事をとることはとても大切にしていきたい習慣だと思います。

 

ある記事によると、「いただきますと手を合わせることは宗教的なので、幼稚園や学校では強制しないでもらいたい」ということが書かれていました。調べてみると仏教が由来ということでした。「いただきます」と言うことが宗教的という発想はこれが影響だったのです。

 

いろいろ考えを持つことは大変重要でありますし、表現方法も千差万別です。ただ対象はその人により違うと思いますが、感謝することは大事にしていきたいものです。