旅する禅僧

より多くの方々に仏教をお伝えし、日常の仏教を表現していきます

随喜

こんばんは、禅信です。

ブログを書き始めて諸々しているうちにこんな時間になってしまいました。

 

当山の参禅会も賑わいを取り戻し、お寺の行事も徐々に再開され始めました。

 

今年から両大本山の二期法要にも山内だけでなく随喜の和尚さんや一般の

戒弟さんの参加を受け入れて1週間の修行を通して禅師様から、お釈迦様とのご縁(戒法)を頂く御授戒が修行されました。

 

私は永平寺を送行した次の年から、戒弟さん(禅師様からの戒法を受けるために参加する一般の方)の補佐をするお役を頂き、戒弟さんと共にお授戒会に参加させていただいております。戒弟さんと同じように私も普段は世俗社会で生活している為、永平寺での生活は刺激的なものです。

まだ暗い廻廊を坐禅堂へ向かい、修行僧と一緒に坐禅を組み、遠くに響く鐘の音を聞いていると修行当時の懐かしい想いと、一人で坐る坐禅とは違う独特の緊張感に自然と背筋が伸びます。

作法に従い食事をいただき、諷経では声を合わせて読経します。合間の時間も法堂正面から愛宕山を見晴らす景色や雲水の所作・威儀に触れ自然と襟が正されます。

 

 

1週間修行を勤め、28日の夜に戒法を授かる儀式を受ける戒弟さんの姿勢や表情は、23日永平寺に来た時の参加させてもらっているお客さんの顔から、真摯に禅師様のお言葉を受ける修行者の顔に変わっています。

 

『霧の中を行けば覚えざるに衣湿る』という禅語があります。

 

私も戒弟さん達と同じように、永平寺の生活に一週間身を置いて雲水さん達と生活する中で自ずと坐禅堂に向かい、まっすぐに礼拝し、典座さんの作った精進料理を頂く。そのすべてが行を修める心・姿に変わってきます。

 

今月も23日から29日まで永平寺では、『御征忌』(道元禅師の御命日9月29日の前7日の期間全国から和尚さんが集まり報恩諷経を勤める)が修行されます。

 

本山の手伝いを通して、日常生活を振り返り修行へと引き戻してくれる私にとってとても大切な時間となっております。

 

良い影響を与えてくれる環境に身を置くことは、知らず知らずのうちに私を良い方向に育ててくれる。そんな環境があることを幸せに感じます。