旅する禅僧

より多くの方々に仏教をお伝えし、日常の仏教を表現していきます

紅葉狩り

 みなさんこんにちは尚真です。気が付けばもう12月、今年も残すところ1ヶ月を切りました。あとひと月も無いなんて、振り返って見ると今年はあっという間の1年だったと感じます。私だけでなく、多くの方がそのように感じている事でしょう。

 

 今年はやはり新型コロナウィルスの影響で、残念ながら毎年恒例の行事が数多く中止となってしまいましたね。お寺の年中行持もコロナ以降は中止、もしくは大幅に規模を縮小して執り行われる事がほとんどでした。やはり恒例行事が無いと、一年が過ぎるのが早く感じてしまいますね。

 

 12月に入り気温もだいぶ下がってきて、1日あたりの新型コロナウィルスの感染者数が最多だった等とよくニュースで耳にします。世間では様々な「Go To ○○」が盛り上がっていた矢先ですので、旅行や外食の計画の見直しを迫られている方もいらっしゃる事と思います。

 

 私も先週末は、本来ならちょっとした1泊旅行に行く予定でしたが、この状況を踏まえて早々に中止としました。コロナ禍では県境をまたぐような遠出はせずに、外食もなるべく控えるようにしておりましたので、久しぶりの遠出に家族一同楽しみにしておりましたが、こればかりは止むを得ません。 

 

 代わりに車で1時間程のところにある山に紅葉を見にがてらドライブに行ってきました。現地に着くと、天気が良かった事もあり駐車場周辺は多くの人が見受けられました。本来ならば車を止めて周囲を散策したり、記念写真を撮ったりしたい所ですが、人との接触を避けるため、車の中から眺めると言う何とも味気ない紅葉狩りとなってしまいました。

 

 折角来たのに車からも降りずに、ただ来た道を引き返してはあまりにつまらないので、帰り道は登ってきた道とは別の、山の反対側の車通りの少ないルートから降りることにしました。

 

 そちらのルートは山の北側を降りるルートで、日当たりが悪くいつ通っても薄暗い道です。また降りた先の交通の便が悪い為かそちらのルートを通る人は地元の人でもあまりいません。そんな道なので昼間でも少し不気味な感じすらします。

 

 しかし山道を下り出してすぐに、助手席の妻が行きのルートと帰りのルートでは紅葉具合が全く違うと言うのです。運転している私はじっくり見る訳にはいきませんので、安全そうなタイミングで見てみると、パッと見でも分かるくらい、確かにこちら側の方が綺麗に色付いているようです。

 

 不思議に思い家に帰ってから調べてみると、紅葉は気温が下がり日照時間が短くなると葉が色付いてくるとの事。なるほど山の北側の方が日当たりが悪くて薄暗い分、気温も低く日照時間も短いので、より紅葉が綺麗に色付いていたのでした。

 

 毎年私達の目を楽しませ、四季を代表する風景である紅葉ですが、実は寒さに耐えながら懸命に色付いているという事が分かりました。私は寒いのが苦手ですので、寒さに耐えるどころかすぐに背中を丸め、ポケットに手を入れて縮こまってしまいます。紅葉している木々を見習いたいところです。

 

 車から降りるのを我慢した分、みんなが見ている紅葉よりもより鮮やかに色付いているものを見る事が出来て、ちょっと得した気分になりました。冬も本格化し、コロナもますます厳しい時期となりますが、無事に新年を迎えらるように、健康には十分注意して寒さを乗り切りましょう。