旅する禅僧

より多くの方々に仏教をお伝えし、日常の仏教を表現していきます

闘病中の親友に向けて

 

 みなさん、こんにちは。向月です。

私には大切な友人がいます。

今、彼は10年前に患った大病が原因しで、入院しています。

今回のブログは、その彼に届けばと思い書きたいと思います。

 

彼と出会ったのは、ずいぶん前。

東京都調布市にあるスタジアムでした。

お互い同じサッカーチームを応援していました。

出会った時にはすでに彼は病気を患っていました。検査のため何度も入退院を繰り返しています。

 

今年の7月にお見舞いに行ったときのこと。

上手くしゃべれませんでしたが、私の事は分かってくれて手を上げてくれました。

彼のリハビリも見せてもらいました。一生懸命起ちあがろうとするのですがなかなかうまくいきません。

それでもベッドに掴まり、杖を支えに立ちあがろうとします。

やっとの思いで車いすに乗ったときは、とても疲れた顔をしていました。

そんな時、彼の奥さんがアイスクリームを買って病室に来ました。

彼は美味しそうにアイスを食べます。彼と奥さんと私でアイスを食べながら話しました。

 

奥さんは「病気になる前は、普通に生活できるのが当たり前だと思っていた。今はこうして生きていることも奇跡に思える。生きていて有難うと彼に感謝している」と言われました。

 

「有難う」。有る事の難しさ。

いつもある生活や風景が、本当は当たり前じゃないと思ったときに「有難う」と言えるのだと思いました。

 

生きていることが当たり前じゃなく、本当は難しいことなんだ。

私も生まれたからにはいつか死ぬ。絶対に死ぬ。だから、今を生きなくてはいけないんだ。

この「有る事の難しさ」を感じながら、日々生活しなければいけないと改めて感じました。

 

帰り際、私も彼に「有難う。元気になってまた一緒にラーメン食べに行こうね」と感謝の気持ちを伝えました。家に帰ってからも彼と奥さんの力強い生き方に感動し、少し泣いてしまいました。

 

どうか彼が元気になって、また一緒にスタジアムに行けることを願って。

 

また別の旅では「ケンカの仲裁」をすることがあったのですが、その話はまた今度。