旅する禅僧

より多くの方々に仏教をお伝えし、日常の仏教を表現していきます

お盆供養

こんばんは、禅信です。

 

今日も暑いですね~。

 

最近は挨拶の様になっている言葉ですが皆様暑い夏をいかがお過ごしでしょうか?

8月もあっという間に、後半を迎え朝夕には秋の虫が涼しげに声を響かせるようになって参りました。

 

今年のお盆は入りの13日が日曜日と言う事もあり、お墓参りをする家族ずれの姿を多く目にしました。本堂で行われた合同供養も午前中の3座はどれも満席になる程でありました。

ようやく如常の生活様式が戻ってきたのかなと、嬉しさを感じるお盆でもありました。

 

 

今年は我が家も祖母の初盆を迎え、13日に提灯を持ってお墓に御霊のお迎えに行って参りました。お盆の期間中は沢山の方にお参り頂き祖母の存在の大きさを改めて実感致しました。

 

祖母は若い頃、保育士として勤めており近所には沢山の教え子がいて先生と慕われておりました。私も子供の頃は母親が料理をする隣の部屋でよく絵本を読んでもらったり一緒にテレビを観たりと面倒を見てもらいました。

 

 

祖母は歌謡番組を見るのが好きで自分の好きな歌手が出演していると一緒になって歌っていた光景が印象的です。決して上手とは言えないながらも、夢中で歌っている姿を見るとこちらも楽しくなり本当に好きなんだなと、子供ながらに微笑ましく感じておりました。

 

そんな祖母も、80歳後半になると2度目の脳梗塞を患いその後遺症から施設で生活することになりました。

 

ここ数年は面会も自由にできない状態が続きましたが、施設のカラオケ大会を楽しみにいつも大きな声で歌ってますよ。と、報告を頂くとテレビの前で歌っていた姿が思い浮かばれました。

 

 

昨年の11月いよいよ体力も弱くなり、最後の時を迎えました。

施設のベットの上で意識が朦朧とする中で、「もしもし亀よ亀さんよ」と子供をあやす様に口ずさみながら亡くなりましたよと施設の方から伺いました。

終末期には、寝ている時間も多くなり会話もままならない状態でしたが、夢の中で子供たちと遊んでいたのかなと思うと、祖母らしい温かい最後だったなと手を合わせてお別れする事ができました。

 

 

あっという間に半年が過ぎ祖母を迎える初めてのお盆では、家族・親戚がお参りに集まり元気な姿を報告する事ができました。

 

残暑厳しい今日この頃ですが、祖母の生きた姿を真似て優しい心を大切にしたいと感じたお盆供養でありました。

 

 

梅花