旅する禅僧

より多くの方々に仏教をお伝えし、日常の仏教を表現していきます

随喜功徳

 

参道

こんばんは、禅信です。

投稿が一週ずれ込んでしまい失礼いたしました。

 

前回の投稿では、俊哲さんが總持寺のお授戒会に随喜した際の

お話を書いていただきました。

總持寺が修行道場として変化をしながら生き続けている証とも言えます。】

 

俊哲さんらしい素敵な表現です。

 

 

今回は、永平寺のお授戒会に随喜(お手伝い)させて頂いての想いを書きたいと思います。

 

毎年、4月23日~29日に修行される授戒会には、全国各地から多くの戒弟さん(戒律を授かる一般の方)や手伝いの和尚さんが一同に会します。

 

福井駅で下車してタクシーで永平寺に向かう途中、長いトンネルを抜けて永平寺の参道に入ると、はじめて修行に来た当時と同じ期待と不安の入り混じった様なヒリヒリとした緊張を感じます。

 

何度行ってもこの感覚は新鮮に感じられ初心にもどり、永平寺山内に入れば修行僧も随喜の和尚も関係なく、永平寺の流れに身を任せて修行をする事ができます。

 

「霧の中を行けば覚えざるに衣湿る」

 

この禅語がしっくりきます。

たった一週間の修行ですが、この一週間の生活がそれぞれ帰ってから一年間の生活の指針の様になっております。

 

今年のお授戒会では、戒師(戒律をお授けするお役)をお勤めの南澤禅師から戒弟さんに向けて、

「身口意の三業に仏身を持す」とお言葉を頂きました。

 

身と口と心、この三つを働かせるときに身勝手なふるまいや言葉使いなど、他を傷つける働きをしていないかよくよく観察して、自分の身と口に仏様の身を備える様に、心に仏様の心を備えながら生活をしてみてくださいねとやさしく教えて頂きました。

 

朝の坐禅、昼の読経、晩の礼拝や食事、東司、入浴、睡眠のすべてに仏身を持する。

授戒会中は普段の生活よりも自分と向き合う機会を作りやすくひとつひとつを丁寧に確認する事ができます。

 

私も毎回、修行させて頂いた永平寺への恩返しと思って授戒会のお手伝いをさせて頂いておりますが、戒弟さんと一日一日を生活していると29日永平寺からの帰り道、長いトンネルを通る頃には身も心もスッと楽になり、永平寺に背中を押して頂いたような気持ちになります。

 

みなさんも両大本山の授戒会ぜひ参加して体験してください。

山門