旅する禅僧

より多くの方々に仏教をお伝えし、日常の仏教を表現していきます

新たな道へ

こんにちは、哲真です。

 

コロナ禍でマスクの日常に慣れたところでしたが、3月13日以降からは外して生活しても良くなりました。しかし、私自身は花粉症でマスクが手放せないなと考えていたところ、気づくと桜が早々と開花しているので驚きました。今年は桜が咲くのが1か月ほど早いです。

 

春を味わえる季節の中、4月8日にはお釈迦様の誕生日を迎えました。花祭りとか降誕会灌仏会などといわれ、各お寺などで法要や儀式が行われます。仏像に甘茶をかける行事と言えば解る方もいるかもしれません。仏教にとってとても大切な日であります。今後機会があれば、ぜひ菩提寺や近くのお寺に行ってお釈迦様の誕生をお祝いし、お参りしてください。

 

私事になりますが、今回得度式をさせていただくこととなりました。得度式とは出家し仏弟子となり僧となる儀式です。知り合いの方から出家したいとの相談を持ち掛けられ、そこまでの決意ならばと得度式を行わせていただくこととなりました。つまり私の弟子となる訳です。

 

出家し仏弟子となることを「発心」といいます。辞書などで調べると「信仰の道に入る心を起こすこと。特に、仏教で、菩提心を発すること。仏の悟りを得ようとする心を起こすこと。」という意味が出てきます。ここで大事なのは「心を起こす」ということです。他人からではなく、自分自身で自分自身の心を起こすことが最も重要なのです。今回の方は在家(お寺に生まれた訳ではなく一般の家庭で育ってきた)の方なので、自分自身で心を起こされた訳です。これこそ、正しく「発心」です。

 

そのような強い「発心」を持つ方の師匠となる機会を得ることができ、私は何と幸運なのかと感じております。師匠という立場を得られるとは、私自身が得度したころには考えもしなかったことでした。花祭りの時期、そして得度式。仏縁に感謝してありがたく行わせていだきます。

 

自分自身の気持ちに正直に生きることは大変根気のいることかもしれません。ただ、一歩一歩進んでいけるように日々過ごしていれば、次のチャンスがやってくるのだとを感じさせてくれる出来事でした。

 

一週間前の境内の桜です。このとき見ごろでした。