旅する禅僧

より多くの方々に仏教をお伝えし、日常の仏教を表現していきます

脚下照顧

こんにちは。拓光です。

 

入梅が近づき不安定な空模様のこの頃、いかがお過ごしでしょうか。

 

 

突然ですが、皆さんは道に迷った経験はありませんか。

きっと誰しもが幼い頃に迷子になった経験があるかと思います。

 

実は私自身とても方向音痴でして、よく家族に迷惑を掛けます。年に数回、僧侶を対象とした勉強会が都心で行われるのですが、東京に出向く度に毎回迷子になってしまいます。我ながら方向音痴のプロだなと自覚しております。

 

しかし方向音痴のプロなので、早く見付けてもらうにはどうしたらよいかも人一倍心得ています。

 

 

 

それは…

 

 

 

 

 

「迷ったら動かないこと」です。

 

 

 

まずは立ち止まって自分が今どこにいるのかを確認することです。

逆に一番やってはいけないことは自分がどこにいるのかもわからず、四方八方を探し回ることです。

 

 

仏教には脚下照顧(きゃっかしょうこ)という教えがあります。「脚下」とは足もと、「照顧」とは顧みるということ。

つまりこの教えを簡単に言いますと靴をしっかりと揃えましょうとか、自分自身の足下に気をつけなさいといった意味があります。

それだけではなく現在自分の置かれている状況(脚下)をしっかりと確認し、よく見極めてから行動をしなさい(照顧)という意味もあります。

 

これは私達が日々歩んでいる人生に関しても同じことが言えると思います。

皆さんも「人生の目標が見付からない、人生をどのように歩んだらいいのかわからない」、またこのコロナ禍の中で「どのように生活をしたらよいのかわからない」などの沢山の悩みに出会うことがあるかと思います。

そのような時もまずは立ち止まって考えることが大切です。

 

悩みや問題に対して「今どうするべきなのか、自分はどうしたいのか」と冷静に考えることで、おのずと問題解決の為の糸口が見えてくると思います。

人生を前向きに歩むためには一歩を踏み出す勇気も大切ですが、時には立ち止まる勇気も必要なのではないでしょうか。

 

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