旅する禅僧

より多くの方々に仏教をお伝えし、日常の仏教を表現していきます

登る禅僧 特別編 ~初めての海外にて思う事~

 皆さんこんにちは。尚真です。事前情報では今年の冬は暖冬との事でしたが、朝晩はグッと冷え込むようになってまいりました。皆様も風邪などを引かないようご自愛頂きたい今日この頃です。

 

 去る12月8日はお釈迦様がお悟りを開かれた日でした。それをお祝いするため、宗派に限らず日本中のお寺で成道会という法要が開かれます。

 

 お釈迦様は29歳の時に出家し、7日間の座禅修行の後にお悟りを開かれたと伝えられていますが、お釈迦がお悟りを開かれた時の年齢は35歳でした。私も現在35歳。気持ちを新たにする一日でもありました。

 

 

 さて話は変わりますが、先月初めて海外に行ってきました。行先は常夏の島ハワイです。滞在期間中は好天に恵まれてとてもいい旅となりました。今回はその時の話を少し。

 

 ハワイはアメリカ合衆国の州のひとつですが、実は日本からの移民を明治時代から受け入れていた為、寺院や神社が数多く存在しています。

 

 日本でも有名な出雲大社金刀比羅神社大宰府天満宮などの神社、またハワイ平等院には十円玉に描かれている鳳凰堂の精巧な1/3レプリカもあります。

 

 もちろん私共の曹洞宗のお寺もあります。その名も曹洞宗大本山ハワイ別院正法寺正法寺は今から約100年前の1913年(大正2年)に開山されました。 正法寺の近隣には在ホノルル日本国総領事館、他宗派の寺院が数多く存在し、その地域は別名「寺院通り」とも言われています。

 

 正法寺は、お盆やお彼岸などの年中行事だけでなく、冠婚葬祭や座禅をはじめバザーなどの様々な活動を通して、現地の日系社会のコミュニケーションの場としての大切な役割を果たしています。

 

 正法寺へは帰国の前日に参拝する予定を組んでいました。しかし参拝予定のその日の朝に、フロントからの電話で帰国日を一日勘違いしていた事が発覚、参拝は断念し急いで荷作りをして帰国の途に就きました。

 

 帰りの飛行機には無事間に合いましたが、楽しかった旅行の中で、唯一悔やまれる思い出となりました。残念です。。。

 

 初めて海外に行って感じたことは、『自分が「普通」とか「当たり前」と思って縛られている事は、狭い範囲の中での価値観であって、他の人には余り意味をなさない』と言うことです。

 

 自分と周囲との違いが許容できれば、怒りや妬み、差別や偏見なども無くなる様なそんな気がします。帰国後そのような気持ちで生活していると、ハワイの人達のように明るく、そして優しく暮らせているような気がします。

 

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