寒さを感じだすと、時間の流れるスピードというものはどうしてこうも早いものかと少し感慨に浸ってしまいがちになりますね。今年の夏の酷暑もこうも寒いと今では少し恋しくも感じてしまいます。
こんにちは、俊宏です。
季節の変わり目ということもあり、気温の低下に加えて天候不順が続き、檀務以外では屋外にでることの意欲が絶賛低下中の今日この頃です。
そんなときはそう、、、
自宅に籠ってオタクlifeにかぎりますね!
生来、出不精気味な私なので、秋の夜長も相まってついついサブスクリプションの動画配信サービスをひたすら鑑賞してしまいます。(そこは坐禅三昧じゃないのかとのご指摘はうけつけてませんので悪しからず。。。)
新作、旧作、不朽の名作にわたり非常に数多くの映画やアニメなどが月々定額で観放題なものですから一旦、見始めようものなら大げさではなくまさしく時間が溶けてなくなります。
私は特にアニメを比較的多く視聴しているのですが、そのなかでも最近特に感銘をうけた作品が『鉄腕アトム、地上最大のロボット』をオマージュした『PLUTO』(プルートウ)というNet flixにて配信されたアニメ作品です。
原作は浦沢直樹さんが20年前に週刊誌連載をされていたマンガですが、まさにロボットアニメの枠をこえた非常にシリアスな仕上がりになっております。連載当時もそうでしたが、猶更、むしろ今改めて観るべき作品として私はこちらの視聴を皆さんに強くお勧めします。
まず、この作品が伝えたいこととして「憎しみの連鎖からの脱却」が挙げられ、おおまかなあらすじについては、大きな戦争によって悲劇に巻き込まれたアブラー博士が、復讐の為にプルートウというロボットを用いて世界を破壊しようとしますが、それをアトムが食い止めるといったもので、この物語の背景や各キャラクターの心理描写等が実に我々の社会における現状にも実にリンクするからです。
ご存知ではあると思いますが、今世界各地では様々な紛争が多発しております。確かに争う理由はそれぞれあって、そして武力によって解決する一面もあるにはあるでしょう。
しかし、たとえ勝っても負けても、それらに関わったすべての人の心には必ず遺恨が生まれ、残り続けます。傷つけた側には背徳感や後悔が、傷つけられた側には悲しみや憎しみが。
自身にとって情けない話ですが、ここ最近悲劇的な現状が目から耳から入りすぎて、もはや当たり前と感じてしまっている自分がいました。そんななかでふと視聴したこのアニメに改めて気づかされることが多くありました。
「勝利からは恨みが起こる。敗れた人は苦しんで終わる。勝敗を捨てて、安らぎを大切にした人は、安らかに終わる」
ダンマパダという経典にはお釈迦様が残したこんな言葉が記されています。またこうも記されています。
「恨みを抱く人たちの中で、恨むことなく、安らかに生きよう。恨みを抱く人たちの中で、恨むことなく暮らしていこう」
百億人以上が暮すこの地球上ですから、そもそも一筋縄ではいかないことばかりです。ただ、他者を傷つけることを問題解決の手段として用いたとしても、本当の意味での解決にはつながりません。そこから生まれた遺恨が新たな問題の火種になってしまうからです。
そういった恨みの連鎖をどこかでやめなければ永遠に争いは続いていく。まさしくすべてを滅ぼしつくすまで終わることはないでしょう。しかし、たとえ頭では理解していても、いざ当人となればその難しさははかりしれないものになるでしょう。ですが、そんな人々の想いを痛いほど感じつつも恨みを抱く人たちの中で、恨むことなく、安らかに生き、暮していくことをお釈迦様は勧めたのでした。
各地でおこる紛争問題を引き合いにだすには少々極端ではありますが、我々の日々の暮らしの中でも大なり小なりこのような問題や悩みはそれなりにあるとおもいます。もし心あたりのある方は是非このお釈迦様の言葉を思い出し、それぞれの心の在り方を今一度振り返ってみて下さい。我々人間は幸せになるために生きているのですから。加えて先にご紹介した『PLUTO』もお時間があればご覧になって頂きたい。
もうむっちゃくちゃ感動しますから。騙されたと思って是非一度お試しあれ。