旅する禅僧

より多くの方々に仏教をお伝えし、日常の仏教を表現していきます

長年の積み重ね

こんにちは、哲真です。

 

八月も終わりですね。八月はお盆がありお寺としては忙しい月でもあります。それに加え今年は暑さも厳しい日が多々ありました。

 

お盆には多くの方々がお墓参りにやってきます。今年は訪れた方々に「庭が綺麗ですね」「花いっぱいだね」「すごい境内」などといわれました。それは、お盆に蓮の花がたくさん咲いていたからです。

 

蓮は、花言葉にあるように「神聖」や「清らかな心」の意味を持っていて、「悟りの象徴」としてお寺のいたるところに存在するというイメージでしょうか。仏像の台座は蓮の花の形をした「蓮華座」がもっともポピュラーかもしれません。また、観音様が蓮を持っている仏像もあります。

 

仏教の教えでは「泥中の蓮華」と呼ばれることもある蓮。そんな蓮という植物の特徴は、水中の泥に根づいて、水面より上に美しい花を咲かせることです。このように、不浄である泥の中から芽を出し、真っ直ぐに茎を伸ばして優美な花を咲かせる様子から、蓮は仏教の教えの象徴としてとらえられているということが云われています。

 

そういうわけで仏教にとって大事な花なのですが、咲く時期は6月下旬から8月初旬です。上品な香りを持ち、大輪を咲かせますが、花が咲くのは早朝の数時間だけで、3日ほどで散ってしまいます。その為、実はお盆の時期ちょうどに咲いているというのは結構珍しいことなんです。

 

当寺で蓮の世話は師匠が主に行っており、長い間育ててきて近隣の寺院からも蓮に関して聞かれたりしています。毎年、お盆前に見ごろを迎え、お盆になると数個の花びらが見えるだけで、ハチス(と言うのでしょうか?下の写真のもの)

 

こればかりがあるという状態でした。ただ今年は、咲く時期を見越して手入れの日にちを計算し見事、お盆の期間中に見ごろを迎えたのです。

 

これは、師匠の長年の経験と日々積み重ねた知識が合わさった結果です。人は何事も日々の生活のなかから多くの知識を得ることができます。自分が持っている知識を生かすも殺すもあなた自身であると、教えられた気持ちになりました。