旅する禅僧

より多くの方々に仏教をお伝えし、日常の仏教を表現していきます

登る禅僧その4 ~きのこ山での経験~

 こんにちは尚真です。まだ五月だというのに、関東地方でも最高気温30度を超える日が続いております。急な気温の変化に、私も先日体調を崩してしまいました。皆様もお体にはお気を付け下さい。

 

 さて令和になって数ヶ月が過ぎ、すっかり令和時代にも慣れてきた今日この頃かと思います。今回は令和になって初めての記事ですので、気持ちを新たに綴っていきたいと思います。

 

 今回の登る禅僧は先頃、友人たちと山登りをした時のお話です。今まではいつも妻と二人での山登りでしたが、友人夫妻と連れ立って初めてグループで山登りをして来ました。私にとっては初めての山仲間が出来ました。

 

 友人夫妻は、まだ小さな子供たちに自然と触れ合う機会を作りたいと言う事で、二人の子供たちを連れての山登りです。ちびっ子ちゃん達にも挑戦できそうな標高の低い山を選んで登ってきました。その名もキノコ山。子供たちも喜びそうな可愛らしい名前のお山です。

 

 普段の山登りとは異なり、標高も低く平坦で登りやすい山道でした。ですので登る事よりもむしろ、友人達との会話を楽しむ山登りとなりました。子供たちにとっては初めての山登りでしたので、初めて見る植物や生き物を見つけては「これ何~?」「あれ何~?」と初めての経験にとても楽しんでいるようでした。

 

 子供たちにとっても初めての山登り、友人夫妻にとっても初めての子供連れでの山登りと言う事で、初体験づくしの彼らにはとても疲れた一日だったと思います。しかし山登りを十分に満喫できた様で、良い経験になったと思います。こちらも無邪気な子供達の笑顔にとても癒された一日となりました。

 

 友人夫妻のように、子供達に色々な経験をさせてあげたいと多くの親御さんは思っている事でしょう。親御さんは子供達と同じ時間を共有し、色々な経験をさせて、そこから色々なことを彼らに伝えて行くのでしょう。

 

 それは親子の関係だけでなく、例えば職場での仕事上の関係や、学校での友人関係でも同じことが言えると思います。やはり色々なことを人に教えたり、伝えたりするには、自分の経験に照らし合わせた方が伝わりやすいと言う事は、皆さんもご自身でもまさに経験し、感じている事だと思います。

 

 私達の禅宗の教えの中にも「不立文字」と言う言葉があります。これは「教えの真理は文字にして伝えることが出来ない」、つまり文字に頼らず、実体験の中から真理を見出しなさいという言葉です。きのこ山での山登りは、自ら実践する事の大切さを、可愛い小さな登山家さん達に改めて教えられる良い経験となりました。