旅する禅僧

より多くの方々に仏教をお伝えし、日常の仏教を表現していきます

いつの世も

こんにちは。向月です。

朝晩、ずいぶんと冷え込む季節となってきましたね。

風邪などひかぬようご自愛ください。

 

沖縄によく行っていたのは以前話しましたが、今回は八重山地方の伝統工芸品についてのお話しです。

ずいぶん前、友人の結婚式に出席するため石垣島に行ったことがあります。

沖縄の結婚式は私の想像していた結婚式とは違いました。

披露宴会場には大きな舞台が有り、友人知人親戚などがそこで余興をするのです。

学芸会(文化祭?)のような雰囲気です。

歌に踊り、演劇なんかもやってました。4時間近くです。

まさに人生の一大イベントです。最後はみんなでカチャーシー踊ってお開き。それから二次会となるのです。

 

そんな披露宴会場にご両家の結納品や記念品が並べて展示してありました。

その中に八重山地方の伝統工芸品であるミンサー帯というものが有りました。

綺麗な藍色に染められたモノで、五つと四つの柄が交互に織り込まれています。

帯の両脇にはムカデの足のような柄が付けられています。

石垣出身の友人に聞いてみると「琉球時代の通い婚だったころからの風習」だと教えてくれました。

女性から男性に送られるもので五つと四つには「いつ(五)の世(四)までも、いつまでも(五)寄り添って(四)」という意味があるそうです。

また、ムカデの足柄には「足繁くお越しください(通い婚だったので)」という思いが込められているそうです。

いってみれば、女性からのプロポーズのようなモノだったらしいです。

(諸説有るようで、実際にはどうだったかは定かでありません)

なんて素敵な贈り物なんだと感心したのを覚えています。

 

結婚式の翌日、東京へ戻る飛行機の中から沖縄の海を眺めてこんな事を思いました。

自分たちの時代で作ったモノや起きてしまった戦争が、自分たちの子孫の時代になって事故や別の争いごとを引き起こしてしまう。

いつまでも、こんな事を繰り返してはいけないんだ。

友人夫婦やその子孫がいつまでも寄り添っていられるように、この綺麗な海(自然)を守らなければいけない。

私たちの時代で良い行動を起こせば、いずれ子孫の時代に良い結果として出てくるはず。

そのために、自然に優しく、争いごとのない生活を心掛けねばと。

 

また別の旅先で「伝統的な芋煮」をいただいたのですが、その話はまた今度。

 

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(私の三線もミンサー柄です。)