旅する禅僧

より多くの方々に仏教をお伝えし、日常の仏教を表現していきます

登る禅僧その2 ~山歩きは人生に似たり~

 皆さんこんにちは尚真です。明日から11月ですね。秋も深まり朝晩はだいぶ冷え込んできました。そろそろコタツを出そうかなと思う今日この頃です。

 

 秋も深まってくると、行楽といえばやっぱり紅葉ですよね!今回は紅葉のメッカ、栃木県の日光・鬼怒川温泉方面に出かけた時のお話です。

 

 まず初日は日光方面に向かいます。日光と言えば日光東照宮を代表する世界遺産群の「日光の社寺」。日光東照宮江戸幕府を開いた徳川家康を「東照大権現」として祀る神社ですが、明治維新での神仏分離により、日光東照宮二荒山神社・日光山輪王寺の二社一寺の形式に分離されるまでの1000年以上もの間神様と仏様を一緒に祀っていました。

 

 このように神道と仏教が一つになって信仰されている状態を「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」と言って、そのような神社・お寺は日本中にたくさん存在していました。

 

 お参りに行った時間も遅かったので、輪王寺を拝観してきました。輪王寺には三仏堂という、東日本随一の大きさを誇る木造建築のお堂がありますが、現在工事中でその姿を目の当たりにする事は出来ませんでした。少し残念な気持ちで一日目は終了です。

 

 二日目は、鬼怒川温泉方面に移動しての山登りです。月山と言う山に行ってきました。山形にも有名な月山がありますね。こちらは地元の方にヤシオツツジの群生地として人気の山です。

 

 登山道の近くの駐車場から整備された道をしばらく歩くとダムがあり、そこから山道が始まります。

 

 山道をしばらく歩くと林の中の登山道から岩肌の露出した尾根伝いへと変わっていきます。登山初心者の私にとって初の尾根歩き!今までの林の中の登山道とは違い、右も崖下、左も崖下、高所恐怖症の私にとっては足のすくむ思いです。

 

 しかし後ろを妻が歩いている以上、怖がっている様子は格好悪くて見せる事は出来ません(実際は腰が引けていて、バレていたかも知れませんが…)。怖い気持ちを隠して山頂に歩を進めます。

 

 山を歩いている間は、普段のしがらみから解放されてか、いつも考えないようなことを色々考えてしまいます。山頂までヘッピリ腰で歩く間も、山歩きは人生と一緒だなと思って歩いていました。

 

 道中に恐れや不安があっても、目標に向かって一歩一歩、歩みを止めずに進んだおかげで、無事目標である山頂に辿り着けました。山頂から見る景色は、中腹で見る景色よりも格段素晴らしいものでした。

 

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