旅する禅僧

より多くの方々に仏教をお伝えし、日常の仏教を表現していきます

登る禅僧その1 ~譲り合う気持ち~

 

皆さんこんにちは尚真です。今年の夏は暑い日が続いて大変でしたが、最近は朝夕めっきり涼しくなって参りました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

「暑さ寒さも彼岸まで」とは、昔の人も良く言ったもので、気付けば明日から秋のお彼岸です。お寺の彼岸花も先ごろ開花しました。

 

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さて今回は私が初めて山登りに行った時のエピソードをお話します。

 

私が初めて登った山は地元茨城の筑波山という山です。筑波山は標高877mで、関東平野が広がる茨城県内では最も標高が高い山です。日本百名山日本百景にも選ばれているそうですが、百名山の中では標高が一番低い山だそうです。

 

中腹にある駐車場から筑波山神社を経由し登山道に向かいます。登山道に差し掛かると、それでも多くの登山客の姿がありました。

 

一緒に歩く妻の話では、都心からのアクセスも良く、標高も手頃、ケーブルカー等が整備された筑波山は人気が高いそう。子どもからお年寄りまで様々な年代の方が一緒に歩いていました。

 

しばらく歩くと、私達の話し声に気付いてか、先を歩く六十代位のご夫婦が「遅いのでお先にどうぞ」と声をかけて道を譲ってくれました。こちらもお礼を述べて通り過ぎて行きます。

 

しばらく歩いていると狭い岩場の道で下山してくる人達とすれ違いました。やはり皆さん「お先にどうぞ」と快く道を譲って下さいます。

 

そのようにして頂上に着くまでの間、様々な方に道を譲られたり、逆にこちらも譲ったりして歩いて行きました。そして通り過ぎていく人は皆、お互い挨拶をし、時には励まし合って歩き去って行きます。

 

無事山頂に到着し、そこからの景色に感動しながらも、私はこの道中の様子にとても清々しい気持ちになりました。同じ目標に向かって一緒に汗を流す一体感、それがお互いを思いやり、道を譲りあう気持ちになるのだと思います。

 

しかし普段私たちが通行している道路に目をやると、煽り運転などの危険運転や、路上でのトラブルなど頻繁にニュースで報道されています。

 

車を運転される方はどんなに急ぐ理由があっても、煽り運転などの危険な運転は絶対に止めましょう。また煽り運転に遭遇しても、無用なトラブルは避け、道を譲ってあげるくらいのゆとりを持って運転したいものですね。

 

一緒に走る周囲の車は同じ方向に進む仲間だと思い、周囲を思いやって安全運転を心がけましょう。